これで完璧!子持ち年収1000万円と独身年収1000万円の生活実態を比較した結果
目次
子持ち年収1000万円と独身年収1000万円の生活実態を比較
一般的に「高給取り」の定義としてパッと思い浮かべるのが「年収1000万円」という数字でしょう。
生まれながらの資産家などという現実感のない人たちと違い、年収1000万円というのは「努力次第ではなんとか到達できるかもしれない」と思わせてくれる夢のある年収なのです。上場企業約3000社のうち、平均年収1000万円以上の企業は約60社。
テレビ局や商社、金融などの大手企業が名を連ねています。
そうした企業は高年収を売りにして、人手不足の叫ばれているこの時代に、優秀な人材を集めているといいます。そのため、低年収と高年収の格差はますます広がるばかり、という話もあります。
社長や経営者ではない「サラリーマンでも得られる可能性がある」というのが、年収1000万円の魅力です。実際には平均年収1000万円以上をもらえる企業に就職するだけでもかなりの倍率になるのですが、憧れを持つくらいは誰にでも許されています。
そんな夢のある年収1000万円の人というのは、どのような生活スタイルになるのでしょうか?家族持ちと独身者、モデルケースを挙げて比べてみましょう。
【子持ち・独身】年収1000万円の月額給与・手取りの実態
年収1000万円の人が、正社員として、仮にボーナスが4ヶ月分支給されると計算すると、1000万円÷16ヶ月=62万5000円が月給となります。
年に2回のボーナス月には約187万円(月額給与+ボーナス2ヶ月分)が入る計算になります。
ただし、額面の給料から、社会保険料、雇用保険料、年金保険料、住民税などの保険料や税金などを天引きした金額が支給されることになるので、手取りはもっと減ります。
年収1000万円の場合は、年間の手取りは730万円~760万円くらいになります。
どうして幅があるかというと、扶養家族の人数、住宅ローン控除などによって課税される税金額が変わってくるためです。
おおよそ額面の75%くらいが手取りになると心づもりしておくとよいでしょう。
累進課税方式により、年収が低い人よりも所得税の税率が高くなるため、手取りも割合も減ってしまうのが特徴です。
年収800万円の人と年収1000万円では額面上200万円の差があるにもかかわらず、手取り額の差は130万円ほどしかないともいわれています。
働いた分が報われない、と感じる人も多いようです。
・年収1000万円:月額給与62万5000円、手取り約47万円
くらいが相場となります。毎月47万円で生活をする、ということです。
自営業者の場合は、1000万円÷12ヶ月=83万円が月給となります。ただし、ここから税金を自分で納めることになるので、自由になるお金はサラリーマンと変わらない、もしくはそれよりも少なくなる可能性もあります。
子もち年収1000万円の生活スタイル【月にかかる費用など】
年収1000万円は一般的には高給取りですが、手取り額で考えると累進課税により3割近くが税金で取られてしまいます。
その上、児童手当の所得上限を超えており、毎月1万~1万5000円の手当をもらうことはできません。
また、子どもの医療費なども自治体によっては収入制限に引っかかって有料になってしまいます。
税金はたくさん取られますが、その分の恩恵はあまり得られない年収帯であるといえます。
しかし、高所得層ということで、妻は専業主婦である、という家庭も多いのも事実です。マンションや戸建てを新築で買う世帯も多いです。
★給料月額62万5000円(手取り47万円)、妻(専業主婦)、子ども2人。都内在住。
家賃・住宅ローン:15万円
食費:8万円
光熱費:2万5000円
通信料:2万5000円
貯金:8万円
その他諸経費:5万円
毎月自由に使えるお金:6万円
子もち年収1000万円の生活の特徴:年収1000万円の世帯であれば、住宅ローンは15万円前後で組んでいることが多いでしょう。
ボーナス月にはプラスして支払うことで繰り上げ返済をすることも可能です。
子どもも年齢的に大きくなっている可能性もあるので、教育費などがかなり多くかかっている家庭もあるかもしれません。
一般的に高給取りといわれる年収ではありますが、毎月海外旅行ができるほどのお金持ちではありません、子どもが私立大学に行ったり、一人暮らしをするための仕送りをしたり、ということになると、生活に余裕はありません。
子どもには公立の大学に行ってもらい、自宅通学をする、または奨学金を取る、などの方法を使わなければならないかもしれません。
年収1000万円を実際に得ている人の約7割が、生活は楽とはいえない、と言っているというアンケート調査もあります。
高給取りとはいえ、それに応じて生活水準が上がり、子どもにかける教育費もまた上がっていくので、一馬力で頑張るならそれなりの覚悟が必要となります。
しかし、衣食住には困らず、大学を選んだり住むところを選んだりする余裕はあるので、「楽ではない」と言いつつ年収300万円未満の本当の貧困層とはまったく違った世界で生活をしていることになります。
独身年収1000万円の生活スタイル【月にかかる費用など】
独身で年収1000万円というのは、好きなことに好きなだけお金を使うことができる、最強の「独身貴族」であるといえます。
マンションなどを購入して暮らしている人もいますし、または高級賃貸で暮らしている人もいるかもしれません。
住んでいる自治体や個人の状況によって異なりますが、扶養家族がいる人よりも控除が少ないことから手取り額がやや少ない、という可能性があります。
とはいえそこまで大きく差が開くことはないので、手取り額の試算は家族持ちと同じ水準にしてあります。
★給料月額62万5000円(手取り47万円)、一人暮らし。都内在住。
家賃・住宅ローン:15万円
食費:5万円
光熱費:1万5000円
通信料:1万5000円
貯金:10万円
その他諸経費:4万円
毎月自由に使えるお金:10万円
子もち年収1000万円の生活の特徴:年収1000万円の独身者は、最低限の生活にかかる経費というのは年収800万円や年収900万円の人と大して差はありません。
ただし、年収が上がった分、選択肢が増えることから、住む所をランクアップしたり、家具や食事にこだわったり、洋服や車、時計などの持ち物をもうワンランク上のブランド物で揃えたり、といったことが可能になります。
掃除は定期的にハウスキーピングサービスに頼ったり、洗濯物もクリーニングで済ませてしまうことも可能です。
仕事に専念して、その他のことは外注、という人が増えるのも年収1000万円以上を稼ぐ独身者の特徴です。
この年収帯の人は「時間もお金である」と考えているので、お金を払って誰かがやってくれるのであれば、家事などはアウトソーシング、という人も多いです。
まとまった休みが取れれば、海外旅行も年に何度かは行けるでしょう。
一方で、「ケチ」と言われる人がいるのも事実。年収1000万円もあるのに家賃の低い所に住み、生活費の節約をして大きな金額を溜め込んでいる人も多いです。
年齢が上がるにつれて生涯独身である可能性も高くなっていくので、自分の老後のためにコツコツと貯めていたり投資にまわしたりしている、という人もいるでしょう。
年収1000万円の割合
国税庁の「民間給与実態統計調査」の平成27年度の結果をもとに、年収帯の人数別パーセンテージをグラフにしてみました。
平均収入は約420万円ですが、4割を300万円未満の世帯が占めています。
年収1000万円~1500万円未満を稼いでいる人というのは、全体の約3.2%となります。95%以上の人は年収1000万円以下の収入となるので、かなりの高所得者層であるといえます。
(※上記のグラフでは年収1000万円以上は500万円ずつの刻みとなっているので、年収1000万円~1100万円の人のパーセンテージはもっと低くなります。
年収1000万円になれそうな職業は?
年収1000万円、月額給料が62万5000円以上もらえる職業を、いくつかご紹介します。
・出版社編集長
・商社マン
などの職業が、平均年収1000万円以上となります。上場企業の中でも特別大きな企業に勤めている人は、年収1000万円となります。有名出版社、商社、テレビ局、金融機関などに勤めている人が当てはまります。
その他には
・小児科医
・眼科医
・外科医
・麻酔科医
・内科医
などの医師が、年収1000万円~1500万円の収入となります。もちろん、それ以上を稼ぐことも可能な職業です。
また、
・水先人(水先案内人)
といった特殊な職業も年収1000万円以上となります。
高給取りの代名詞でもある年収1000万円ですが、実際には独身者と家族持ちで自由になるお金にはかなりの差があることがわかりました。
また、税金で3割近くがもっていかれてしまうので、あまりお得感もありません。
努力した分が報われていない、と思う人も多いですが、それでも日本人の上位数%の限られた人にしか到達できない年収であり、誇りをもって仕事をしてもらいたいものです。
また、資産家に生まれなくても努力次第で得られるかもしれない年収であることも事実です。
なるべく高学歴といわれる大学に入り、就職活動に精を出し、高給を得られる企業への就職を目指すのも道の一つかもしれません。
医師免許などを頑張って取得するという方法もあります。誰もが憧れる年収1000万円は、そうした努力の賜物でもあるわけです。
参考:職業別給与年収ランキング早見表