医療事務と歯科助手はどっちが人気?給料年収・仕事内容や向き不向きなどの違いを徹底比較!
医療事務と歯科助手の給料と仕事内容
女性に人気のある職業医療事務と歯科助手。この二つの給料や仕事内容を比較してみました。
医療事務と歯科助手の平均給料
女性に人気の職業である、医療事務と歯科助手。
どちらとも「子どもが小学生になったからそろそろ働こうかな」という主婦層から注目を集める資格で、特に医療事務は通信講座の人気ナンバーワンなんだそう。
医療事務、歯科助手ともに、
“病院という清潔な場所でのデスクワークで、女性が大活躍キラキラ”
というようなイメージが先行しているようにも見受けられますが、実際のところはかなり大変な仕事のようです。クリニックによってはブラック企業顔負けの薄給激務という噂も…。
それでもやはり土日休みで残業もないというクリニックも多く、子どもが小さいうちはパートで、などと働き方が選べ、全国どこにでも病院があるので転居しても働く場所はあり、年齢制限が少ない、というメリットは魅力的であり、医療事務や歯科助手という仕事を選択する人は増える一方です。
では、医療事務と歯科助手、働くならばどちらを選べばよいのか。
まずは給料から比べてみましょう。
まず、医療事務職として働く場所は、病院、開業医、調剤薬局などがあります。
給料は病院で18万円~26万円となっており、公立か民間経営か、または経営状態によって差があります。
開業医のクリニックで働く場合、オーナー(医者)によって給料の設定は違い、17万円~30万円となります。
調剤薬局の場合、給料は18万円~となります。
平均すると、医療事務という仕事は月給20万円前後になると思われます。
関連:医療事務の給料年収は高い低い?北海道東京沖縄など地域別で算出してみました。
一方、歯科助手は、基本的に歯科クリニックで働きます。歯科医と歯科衛生士を何人も雇っているような大きなクリニックから、歯医者が一人で経営している町のクリニックまで規模はさまざまです。
歯科助手の月給は16万円~20万円といわれています。
関連:歯科助手の給料年収は高い低い?正社員とパートの給料差や手取り、初任給を解説
医療事務と歯科助手、ほとんど給料の差はありません。
強いて言えば、医療事務の方が大きな総合病院などで働けるという点から、やや月給が高いところもある、というくらいです。働く施設やクリニック、地域によってかなりの差があるため、医療事務より給料の高い歯科助手もいます。
医療事務と歯科助手の仕事内容の違い
給料にほとんど差はないとすると、今度は仕事内容で考えることにしましょう。
医療事務の業務は、会計業務や来院者対応などを行う「受付業務」と、診療明細書を発行して保険者(保険組合など)に診療報酬を請求する「レセプト業務」、入院患者への事務対応をする「病棟クラーク業務」などがあります。
特にレセプト業務は患者の金銭負担や病院経営につながる重要な業務であり、保険診療の専門的な知識が必要となるため、未経験者では難しい仕事です。
大きな総合病院などでは業務を細分化していることが多いです。そのため、一通りの医療事務を行うというより、レセプト業務や会計業務などに特化して仕事を担当することがあります。
歯科助手の業務は、「受付業務」と「レセプト業務」、その他の雑用などが大半となります。病床を備えている歯科医院は非常に少ないため、入院患者への事務対応などはありません。歯科診療は保険を使わない自由診療を行うことも多く、レセプト業務は一般的な別の科の病院よりも少なくなります。その代わり、器具などの消毒や滅菌などの作業をすることもあるようです。
歯科特有の用語や手続きもあるため、こちらも採用の際は経験者が優遇されることが多いです。
歯科医院は小規模であることがほとんどのため、歯科助手1人で事務作業から雑務などすべてをこなさなければならないことも多々あります。
医療事務の方が歯科助手よりレセプト業務が多いため、覚えることがやや増える、という感じです。しかし、病院によっては分業制をとっていることがあり、一概にどちらの方が仕事が楽だ、大変だ、とは言い切れません。
どちらも勤めるクリニックによっていろいろな作業のやり方が違ったりするので、転職するとその都度覚えることは多いです。
医療事務と歯科助手それぞれどんな人に向いてるの?
給料はほとんど変わらず、仕事内容も勤める場所(クリニック)によって違うとなると、どうやって医療事務と歯科助手を選べばよいのでしょか。
両者を取り巻く「環境の違い」を比べてみましょう。
医療事務として働く場所と、歯科助手として働く場所、どちらの方が数が多いのでしょうか?
「コンビニより歯医者の方が多い」なんて話をよく聞きますが、実際の件数を調べてみました。
厚生労働省が行っている「平成27年 医療施設(動態)調査・病院報告」によると、全国の医療施設は17万8212施設あり、「病院」は8480施設で、「一般診療所」は10万995施設で、「歯科診療所」は6万8737施設となっています。
コンビニエンスストアは5万4400件(日本フランチャイズチェーン協会調べ)となっているため、コンビニより歯医者が多いのは本当です。そしてそれ以上に一般の診療所もとても多いのです。
ちなみに、医師は3分の1が開業するのに対して、歯科医は2分の1が開業するといわれています。
上記の統計を踏まえると、医療事務として働く場所は、大きな病院なら約8000ヵ所、クリニックなら10万ヵ所もあるということになります。
しかし、大きな病院は欠員募集くらいでしか求人がないため、働くことは難しいといえるでしょう。ほとんどがクリニックに勤めることになります。
そして、歯科助手として働くなら、約5万ヵ所ということになります。
医療事務10万ヵ所 VS 歯科助手5万ヵ所
働く場所の選択肢の数は、医療事務の圧勝です。
より多くの場所を吟味して職場を探したい人や、どうしても働きたいエリアがある人、配偶者に転勤の可能性があるため少しでも選択肢を増やしたい人などには、医療事務が向いているといえるでしょう。
歯科医院の数もコンビニよりは多いので、探せば歯科助手の仕事はたくさんあります。
病院よりも規模の小さい個人経営のところがほとんどのため、アットホームな職場で、地域に密着して働きたい、という人には向いています。
「アットホーム」は裏を返せば「少ないスタッフで人間関係ドロドロ」を誤魔化す言葉としても使われることがあるので要注意ですが、自分にピッタリの職場が見つかればそれこそ天職となること間違い無しです。
また、「歯科衛生士」などの医療行為ができる上位資格取得を目指す人や、歯医者のあの匂いがなんとも言えず好きな人にも、向いている仕事といえます。
仕事の選択にほとんど関係ない情報ですが、「医療事務」と「歯科助手」でグーグルの画像検索をすると、若干ですが「歯科助手」の方が平均年齢が若い女性が多数登場します。
世間的には、「歯科助手は若くて美人が多い」というようなイメージがあるものと思われます。だからといって、「年食ったからクビ」ということは違法ですのでありません。
医療事務と歯科助手だと結論どちらがいいの?
これまでの内容をまとめると、
・給料面では医療事務と歯科助手はほとんど差はない。(※勤務するクリニックによって大きく差がある)
・医療事務はレセプト業務が多い。
・歯科助手はレセプト業務は少ないが、雑務が多い。
・働く場所は医療事務の方が多い。
・アットホームな職場を望むなら歯科助手。
・イメージ的には歯科助手の方が若くて美人が多いかも?(あくまで世間のイメージ)
ということになります。
「どこで働きたいか」「優先するものは何か」によって好きな方を選ぶのがよいでしょう。
病院の数はコンビニを遥かに凌駕しているのですから、きっとあなたにピッタリなクリニックが見つかるはずです。