これで完璧!給料70万の人が払う全ての税金・保険料を算出!
目次
給料70万の人が払う全ての税金を計算!
日本人の労働者の平均年収が約420万円です。月額の収入の平均は約32万円。
それに比べれば月額の給料70万円というのは倍以上の金額になります。
ボーナスがないとしても、単純計算で年収は840万円です。ボーナスが出るとすると年収1000万円を超えます。年収1000万円以上の人というのは、労働者人口のわずか5%しかいません。
上場企業約3000社のうち、平均年収1000万円以上の企業は約60社しかないことからわかるように、大企業の中でも特に優良企業でなければ月給70万円、年収1000万円以上にはならないのです。
そんな給料70万円の人たちは、一体どのくらいの税金を払っているのでしょうか?所得税、住民税、社会保険料を順番に見ていきましょう。
給料70万の人の所得税・税率
所得税とは、給料総額から控除分を除いた額にかけられる税金です。200年以上前にイギリスで生まれた制度で、日本では明治時代に導入されました。
増大する軍事費を賄うために、所得税制度ができたといわれています。現在では所得税は税収の約3割を占める、重要なものとなっています。
サラリーマンの場合は、所得税は先に給料から天引きされて納められます。自営業者の場合は、確定申告をして所得税を自分で納めることになります。
所得税は累進課税制度をとっています。所得が高い人ほど、高い税率の所得税を払うことになっています。収入の低い人から、5%、10%、20%、23%、33%、40%、45%の7段階に税率が上がっていきます。
詳しくは国税庁HP、所得税の税率のページを参照してください。
所得税早見表
月給70万円の場合、ボーナスがない人は70万円×12ヶ月=840万円の年収となります。正社員で仮に4ヶ月分のボーナス出る人は、70万円×16ヶ月=1120万円の年収となります。
そこから会社員の場合は「給与所得控除」を除き、非課税となる通勤手当、社会保険料を差し引いた額(課税所得)に税率をかけることになります。社会保険料とは、健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険などを総称したものです。
給与所得控除
まずは給与所得控除を計算してみましょう。
非課税となる金額は人によって異なるので、一律に課税所得がいくらになるというのを定義することはできませんが、ここでは月収70万円がそのまま課税所得として計算をしてみます。
・課税所得が年間840万円
840万円×10%+120万円=204万円
が給与所得控除額になるので、控除を引いた額は636万円です。
・課税所得が年間1120万円の場合、上限の220万円が給与所得控除になるので、控除を引いた額は900万円となります。
所得税早見表を見てみると、課税所得が636万円の場合は、税率20%、控除額は42万7500円となります。
課税所得が900万円の場合は、税率33%、控除額は153万6000円になります。
・課税所得が840万円の場合(給与所得控除後636万円の場合)
636万円×20%-42万7500円=84万4500円
が年間の所得税額になります。
・課税所得が1120万円の場合(給与所得控除後900万円の場合)
900万円×30%-153万6000円=116万4000円
が年間の所得税額になります。
会社の従業員として給料をもらっている人は「給与所得の源泉徴収税額表」が定められており、それにしたがって給料から所得税が天引き(源泉徴収)されます。
扶養家族の人数によって、源泉徴収される金額は変わってきます。
課税所得が月額70万円の場合
・扶養家族0人:6万5290円
・扶養家族1人:5万8830円
・扶養家族2人:5万2360円
・扶養家族3人:4万5890円
・扶養家族4人:3万9430円
・扶養家族5人:3万2960円
・扶養家族6人:2万6490円
・扶養家族7人:2万30円
と決まっています。
ここまでは、あくまでも「課税所得が月に70万円」ということで計算してきました。
社会保険料などが引かれた後で70万円ということです。
額面上、天引きされる前の支給額はもう少し高いことになります。それでは、文字通り給料70万円=額面70万円の人というのは、一体どのくらいの所得税を払わなければならないでしょうか。
所得税は扶養家族の人数や社会保険料の控除額などによって異なることから、一人ひとり金額が違います。
自動計算をしてくれるアプリやシミュレーターは必要事項を入力することで、簡単に税金の金額を算出することができます。
いくつかのサイトで計算してみた結果、「月給70万円」の人の所得税は、4万8110円~4万8200円と算出されていました。
給料70万の人の住民税【都道府県民税+市町村民税】
住民税とは、都道府県や市区町村などの自治体が住民に対していろいろなサービスをするために必要な費用を、住民に負担させるための税金です。
住民税として徴収されたお金は、道路や公園の整備、ゴミの焼却、学校、医療、消防、防犯など、住んでいる地域のために使われます。
また、役所の職員の人件費も住民税から賄われます。
毎年1月1日を基準として課税され、納税通知書が送られてきます。
原則として都道府県民税も市区町村の役所が一括して徴収をすることになっています。つまり、
住民税=都道府県民税+市町村民税(-調整控除)
ということです。調整控除とは、所得税との控除額の差を税制するために設けられている控除です。
さて、この住民税の求め方ですが、その課税方法には2種類があります。「所得割」と「均等割」という課税方法です。
・所得割:前年の所得金額に応じて課税される(年収が高い人ほど高くなる)
・均等割:所得金額にかかわらず定額で課税される(住民みんな平等)
通常、この所得割と均等割の2つを合算して、支払う住民税が決まります。
シミュレーターを使って計算してみた所、月給70万円の人の住民税は、以下の通りです。
・月給70万円、年収840万円(ボーナスなし)、東京都在住
住民税:60万5000円
・月給70万円、年収1120万円(ボーナス4ヶ月分)、東京都在住
住民税:86万3500円
給料70万円の社会保険料「健康保険料・厚生年金」はいくら?
怪我や病気、災害、そして失業。生きている限り、いつ何が起こるかわかりません。そのための保障が、「社会保険」です。
・健康保険
・介護保険(※40歳以上)
・年金保険
・雇用保険
などの保険を総称して「社会保険」と呼びます。
会社員の場合、会社の健康保険(健康保険組合、または協会けんぽ)と、厚生年金に加入します。
健康保険は、加入していると個人の医療費負担が3割になります。病院で「保険証を見せてください」と言われるのは、この健康保険に加入しているかどうかを確認するためです。
健康保険に加入していないと、10割負担になる(全額自分で支払わなければならない)ため、今が健康でもいつ怪我や病気をするかはわからないので、非常に重要な保険です。
年金保険は、公的な年金制度で将来の生活を保障するものです。将来的にどうなるかちょっと不安視されていますが、労働者は厚生年金に強制的に加入することになります。
健康保険と厚生年金は、給料のそれぞれ一定の割合を、会社と個人が二分の一ずつ負担することになっています。
・健康保険料:標準報酬月額×4.955%(協会けんぽ、個人負担分)
・厚生年金:標準報酬月額×8.914%(個人負担分)
具体的な金額は、協会けんぽのホームページの一覧表に掲載されています。
以上を踏まえると、月給70万円の人の健康保険料と厚生年金の個人負担額は、
・健康保険料:3万5180円
・厚生年金:5万6730円
となります。加入している健康保険や年齢、住んでいる自治体などによって金額は変わり、年度によって税率が変更になる場合もあります。
よって自動計算するシミュレーターによっては数字が違うことがあるため、正確な額は各自の給料明細を確認してください。
【まとめ】給料70万の人が年額持っていかれる税金
税金の額というのは、扶養家族の人数、住んでいる場所、さまざまな控除などによって一人ひとり異なります。
一般的には年収の8割が手取り額だといわれているため、引かれる税金は収入の約2割です。ただし、累進課税により収入が上がれば上がるほど引かれる税金額も大きくなるので、年収1000万円を超えると約7.5割が手取りとなり、2.5割くらいが税金になるといわれています。
月給70万円、年収840万円の時は約168万円が税金として引かれ、年収1120万円の時は約280万円が税金で引かれるということになります。
給料70万円というのは、国民の数%しかいない高収入の人です。
引かれる税金額は大きくなりますが、社会への貢献度も高いということです。
自分自身への恩恵が少ないと感じるかもしれませんが、あなたの納めた税金は必ず誰かの役に立っているのです。
自分の納めた税金がどのように使われているか、きちんと把握しておくことが必要でしょう。