社会保険労務士(社労士)・行政書士の年収を比較してわかった真実 | 給料BANK

社会保険労務士(社労士)・行政書士の年収を比較してわかった真実

社会保険労務士(社労士)・行政書士の年収を比較してわかった真実

社会保険労務士(社労士)・行政書士の年収を比較してわかった真実画像1

社労士戦士
社労士と行政書士の違いをしらべてみよう

社会保険労務士(社労士)・行政書士の年収を比較してわかった真実

弁護士・公認会計士・行政書士・社会保険労務士など、専門知識と国家資格を必要とする「士業」。
誰でもなれる職業ではなく、国家資格を取得するのも、かなりの倍率になります。
 
そんな士業の中から、今回は「社会保険労務士(社労士)」と「行政書士」に注目をしてみます。
とてもやりがいがあるという共通点がありますが、2つの職業を比較してみると、さまざまなことが分かってきました。詳しく見ていきましょう。

 

1:士業全体の平均年収はどのくらい?

「士業」と言いましても、さまざまな職業があります。
平成28年賃金構造基本統計調査によると、士業の平均年収は士業の平均年収は約501万円でした。
 
国家資格と専門知識が必要な士業ですから、他の職種に比べて年収はやや高い傾向にありますが、職種や勤務形態によって大幅に違ってきますので、一概には言えません。
弁護士でも事務所に雇われているのか、また自分で個人事務所を開いているのかによって変わってきます。
あくまでもここで提示した金額は、参考程度に留めておいてください。

2:社会保険労務士・行政書士の年収を比較すると?

社会保険労務士(社労士)・行政書士の年収を比較してわかった真実画像2

社会保険労務士・行政書士ともに、国家資格が必要な職業であり、やりがいと大きな責任感を伴う仕事です。
はじめに、社会保険労務士・行政書士の年収を比較してみましょう。

社会保険労務士の年収

2016年に行われた厚生労働省による賃金構造基本統計調査・給料BANKの統計をもとに、お話をしていきます。
この調査によると、社会保険労務士の平均年収は527万円となっています。
一般的な給与所得者の平均年数が490万円となっていますので、国家資格のある社会保険労務士は少し高めの年収になっています。
参考:社労士の年収給料

行政書士の年収

行政書士の参考年収は、公式の調査の対象にはなっていませんが、大体300~600万円程度だと言われています。
どうしてこんなにも年収に開きがあるのかと言いますと、行政書士としての働き方によって年収格差が生まれるからです。
行政書士として登録のみを行い、実際に業務をしていない人は多いですし、事務所に属しているのか独立開業しているのかによっても大幅に変わってきます。
もちろん、社会保険労務士にも共通することですが、地域によって依頼額が変わってくるのも1つの理由です。
 
上記より、社会保険労務士と行政書士の年収は個人の働き方によって、大きな開きがあることが分かりました。
職種によって差が開いているというよりは、1人1人の年収に格差があるようです。
参考:行政書士の年収給料

3:仕事内容はどう違う?どちらが大変?

社会保険労務士(社労士)・行政書士の年収を比較してわかった真実画像3

社会保険労務士と行政書士の平均年収を比較したところで、次はそれぞれの仕事内容について確認していきましょう。

【社会保険労務士とは?】

社会保険労務士、略して社労士とも言われるこの職業は、社会保険労務士法に基づいた国家資格者だけができる仕事です。
 
一言で言えば、企業が成長していく上で欠かすことのできない「人材」に関するあらゆることのエキスパートと言えるでしょう。
新しい人材を採用するところから、在職中、そして退職するまでの一連の流れをサポートしてくれます。
 
社会保険労務士の主な業務をまとめてみました。
 
・社会保険手続業務
・年金相談業務の事務手続き

 
これらの業務は、書類作成や一人一人の管理が煩雑になるので、社会保険労務士の専門の知識がなければ素人には難しい作業となります。
 
・労務管理の相談など

 
雇用主と労働者の真ん中に立って、良好な労使関係を
築くお手伝いをしてくれます。
 
・紛争解決手続代理業務

 
職場で起きたストライキやトラブルに、迅速に対応してくれます。
 
このように、企業の「人材」にまつわることに対して、幅広くサポートしてくれる社会保険労務士。
書類作成や事務手続きはもちろんのこと、トラブル解決までに動いてくれるので、企業の成長・運営には欠かせない存在です。

参考
全国社会保険労務士連合会
https://www.shakaihokenroumushi.jp/about/tabid/203/Default.aspx

 

【行政書士とは?】

行政書士の仕事を簡潔に言うならば、法的な効力を持つ書類の作成や手続きの代理です。
もちろん、書類作成に関する相談業務もおこなってくれます。
社会保険労務士は企業を相手にすることが多いですが、行政書士は企業だけではなく、個人からの依頼も多いのが特徴の1つです。
そのため「街の身近な法律家さん」「代書屋さん」と呼ばれることもあるようですね。
行政書士は、会社を設立したい・個人でお店を開きたい・独立開業を考えているという人にとって、心強いパートナーとなってくれることでしょう。
行政書士の主な業務は、以下の通りです。
 
行政書士の主な業務まとめ
 
・官公署に提出する書類作成

 
これは、行政書士の独占業務となっています。
行政書士への依頼で最も多いのが、飲食店や旅館経営を始める際の営業許可の申請書類の作成です。
その他にも、自動車登録や名義変更などの自動車に関する書類作成や、永住許可申請や期間更新許可などの在留外国人に関する申請書類の作成依頼もこなします。
 
・権利義務に関する書類作成

 
営業許可申請と同時に、起業・開業の際の定款についての依頼も多いです。
その他の権利義務に関する書類作成では、著作権や知的財産権の登録申請・内容証明・陳述書・嘆願書・相続関連の書類などになります。
 
・事実証明に関する書類作成

 
議事録・会計帳簿・損益計算書などが、この項目に当たります。
 
・中小企業向けの相談や手続き代行

 
中小企業が利用できる助成金の申請手続き代行や、手続きをするにあたっての相談・アドバイスも行政書士の仕事の1つです。
参考:https://kyuryobank.com/samurai/gyoseishoshi.html

4:社会保険労務士・行政書士。取得した互いのメリット

社会保険労務士(社労士)・行政書士の年収を比較してわかった真実画像4

社会保険労務士と行政書士の仕事に興味がある人。
将来、目指すべき職業の1つになっている人は、それぞれの資格を取得したメリットを知っておくべきです。
こちらでは、社会保険労務士と行政書士に共通しているメリットと、それぞれ独自のメリットについてお話をしていきます。

【社会保険労務士と行政書士に共通しているメリット】

メリット1.就職・転職に資格そのものが役に立つ

就職や転職の際に、資格を取得していることは大きなメリットになります。
資格と言っても、趣味を活かした資格・民間の資格など、さまざまな資格がありますが、社会保険労務士と行政書士ともに、立派な国家資格です。
しかも、難関の国家資格ですから、取得していることは大きなメリットになるでしょう。
専門的な業務をおこなえるだけではなく、難関の国家資格を取得するまでの過程も、きっと評価の対象になるはずです。
一夜漬けでは到底合格できない資格なので、コツコツと地道に勉強して努力してきた人だと試験官にも自然と伝わることでしょう。

メリット2.国家資格ありきの仕事なので、年収もやや高めの傾向

社会保険労務士も行政書士も、国家資格ありきの職業であり、平均年収はやや高めとなっています。
雇用形態やご自身の働き方でも年収に変化はあるものの、やはり国家資格が無ければできない仕事ですから、収入も平均より上回っているのだと言えるでしょう。
お金がないと生活していけませんから、仕事を選ぶ上で年収を重視するのも1つの考え方ですね。

メリット3.人から頼りにされて、やりがいを感じられる

社会保険労務士も行政書士も、企業や個人のお客様が自分ではできないことをお手伝いする仕事です。
本人は自分に与えられた仕事としてこなしているだけなのに、依頼主から「本当にありがとう」「起業する上で、とても助かった」などと感謝の言葉を頂けることも多々あります。
自分の知識やスキルが、誰かのために役立っていることをストレートに感じることができるので、大きなやりがいを感じることができるでしょう。

メリット4.独立開業の手段となる

これまで会社員として生計を立ててきた人にとって、独立開業というのは、とても大きな壁に見えるはずです。
確かに、何の知識もスキルもない状態で、自分で何かを始めるというのは難しいことですね。
しかしながら、社会保険労務士や行政書士の国家資格を持っていれば、独立開業の道も開けてきます。

もちろん、簡単な道ではないかもしれません。
しかしながら国家資格があるという強みが、あなたが事務所のトップとして働ける可能性をより高めてくれるでしょう。

社会保険労務士のメリット.会社の仕組みを学べる

社会保険労務士の仕事は、企業内の「人材」に関するサポートをおこなっていくことです。
社会保険の手続きだけではなく、就業規則も考えられる知識とスキルがあるので、会社の仕組みというものを根本から学んでいくことができます。
会社の仕組みは、自然と身に付くものではありませんので、社会保険労務士になったからこそのメリットになります。
会社と従業員の関係や権利を理解することができるので、自分が会社で働いていく場合は、自分の身を守ることにもつながります。
正しい法律の知識を学べるというのが、人生において大きなメリットとなることでしょう。

【行政書士のメリット】

行政書士のメリット.比較的取得しやすい法律系の国家資格である
 
弁護士・社会保険労務士に比べて、行政書士は比較的取得しやすい法律系の国家資格と言われています。
離婚・相続・賃貸契約などの身近な内容にまつわる業務が多いので、飽きずに学んでいけるのも取得しやすい理由の1つです。
試験問題が択一式なのも、法律系の国家資格なのに比較的取得しやすいポイントになっています。
 
メリット2.経験を活かして、身近な街の法律家として活動できる
 
行政書士は弁護士のように裁判に関する業務は、おこなえません。
しかしながら、裁判にならないようにするために活用できる、さまざまな書類作成は可能です。行政書士の中には自らの離婚や子育て、相続に関する経験を活かして、依頼者に寄り添った業務を強みとしている人も多いです。
経験を活かした、身近な街の法律家として活動できるのが行政書士の大きなメリットです。

5:将来を見据えた年収の伸び率が高いのはどちら?

社会保険労務士と行政書士、将来を見据えた年収の伸び率が高いのはどちらなのでしょうか?
結論から申し上げると、社会保険労務士の将来性が行政書士をやや上回っていると言えます。その理由を、以下にまとめてみました。

理由1.企業トラブルが増加傾向にあるから

セクシャルハラスメントだけではなく、パワーハラスメントやマタニティハラスメントなど、企業内でさまざまなトラブルが続出しています。
実際にブラック企業と言われる企業も増えてきており、過労死や労災と認められるような精神疾患も後を絶ちません。
企業を成長・運営させるためには、お金も必要ですが、人材も必要不可欠です。
上記のようなトラブルだけではなく、転職・中途採用が当たり前に行われる時代となり、企業の人事・労務管理も複雑になっていることは確かです。
目まぐるしく法改正がおこなわれている中で、専門的知識を持ち、柔軟に対応できる社会保険労務士の存在はより大きくなると思われます。

理由2.合格率の低さ。資格そのものの価値が高い

社会保険労務士の合格確率は、10%以下です。
行政書士も法律系の国家資格としては同じカテゴリですが、合格率の低さ、つまり試験の難易度は社会保険労務士の方が上回っています。
よって、資格そのもの価値も高くなると考えましょう。

6:年収を上げるためには兼業やダブルで資格取得する

社会保険労務士(社労士)・行政書士の年収を比較してわかった真実画像6

兼業やダブルで資格取得というのは、この場合社会保険労務士と行政書士の資格の両方を活用して、業務をおこなうことを指します。
「難関の国家資格を2つも取得するのは、大変なのでは?」という声もありますが、確かにとても難しいことです。けれども、実際に兼業やダブルで資格取得をしている人はいます。
社会保険労務士と行政書士の業務内容は、似ているところはあまりありませんが、仕事上の相性は良く兼業することは可能です。
しかしながら、兼業をしていく際には「どちらかの業務の基盤を作っておく」のが、大事なポイントになります。両方中途半端になってしまうのが一番もったいないので、軸として稼いでいきたい資格を活かした業務に力を入れて、基盤を固めていくことをおすすめします。
基盤が出来上がっていることで、仕事が中途半端になることがないので、兼業やダブルの資格取得で業務の幅がぐんぐん広がっていくことでしょう。

まとめ

今回は「社会保険労務士と行政書士の年収」について、詳しくお話をしました。
どちらもやりがいと大きな責任がある仕事であることは、間違いありません。法律系の国家資格も必要なので、簡単に始められる職業ではありません。
年収や将来性の面で2つの職業を比較するのなら、おすすめするのは社会保険労務士です。
自身の可能性を広げるためにも、ぜひ将来の道の1つとして候補にあげてはいかがでしょうか。