【三福祉士】社会福祉士と介護福祉士、精神保健福祉士の年収給料を比較し、どの職業を選べばいいのか解説!
目次
三福祉士の社会福祉士と介護福祉士、精神保健福祉士の年収給料や仕事内容の違いを比較してみた
日本は超高齢化社会です。
2025年には老人1人を若者1人が支える計算になるそうです。
働いて税金を納めている若者の立場からすると、その老人1人を選ばせてくれよ、と思うのもやまやまですが、実際はそうはいきません。
現在の日本では、国家資格を持つ専門家が介護など福祉関係の実務を担当し、その給与は税金から支払われるという仕組みになっています。
その、国家資格を持つ専門家が、「三福祉士」と呼ばれる、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士です。
この三種類の国家資格について、違いが分かる人はどれくらいいるでしょうか?
給料や仕事内容について、比較してみましょう。
社会福祉士と介護福祉士、精神保健福祉士の平均年収
当サイト調べによると、それぞれの平均給与額は、
【社会福祉士】
・平均月給:24.3万円
・20代の給料:19万円
・30代の給料:24万円
・40代の給料:30万円
・初任給:13万円~
関連:社会福祉士(ソーシャルワーカー)の給料年収手取り、公務員・病院勤務・独立型福祉士など業種別年収
【介護福祉士】
・平均月給:23万円
・20代の給料:19万円
・30代の給料:23万円
・40代の給料:30万円
・初任給:10万円~
関連:【公務員】介護福祉士(ケアワーカー)の給料年収、ケアワーカーや看護師との給料年収比較
【精神保健福祉士】
・平均月給:27万円
・20代の給料:25万円
・30代の給料:27万円
・40代の給料:29.5万円
・初任給:19万円~
関連:精神保健福祉士の給料年収・初任給・仕事内容を解説!
となっています。
地域や施設によって給料は異なりますが、福祉職は一般的に給与水準が低いといわれています。福祉職は営利目的のビジネスではなく、財源が固定されており、給料が上がりにくいシステムになっているためです。
また、国家資格として認められた時期も比較的最近で、政治的に力を持つ職能団体がまだないというのも理由の1つです。
日本の労働者の平均月給が約33万円といわれている中で、一番給料が高い精神保健福祉士ですら40代でも平均を超えることができないのが現状です。
待遇改善として政府が支払うお金は、何故か労働者には届かない…。一体誰がポッケナイナイしているのでしょうか。悪質な中抜きをしている事業所は潰れてしまえ!と極論を言いたくなりますが、そんなところでもセーフティーネットとして誰かを支えていると思うと、なんとも歯がゆい気持ちになります。
ストを起こせば…、辞めてしまえば…という意見もありますが、実際に現場で働く福祉士たちは「困っている人々を放っておけない」という切実な思いから、安い給料で今日も頑張っています。
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では給料以外の違いはどうなのでしょうか?仕事内容の違いを見てみましょう。
社会福祉士と介護福祉士、精神保健福祉士の仕事内容の違い
福祉を支える三福祉士は、それぞれ仕事内容が異なります。
社会福祉士は「ソーシャルワーカー」と呼ばれ、日常生活を営むのが困難な人に対して、適切な助言や支援を行い、サポートをするのが仕事です。福祉関係の制度や法律、心理学など広い知識が求められます。
社会福祉士が相談に乗るのは、高齢者、知的障害者、精神障害者、身体障害者、生活保護を受ける人、支援の必要な子どもなど、福祉分野すべてが対象となります。
社会福祉協議会や各種障害者施設、老人介護施設、病院などの医療機関で働いています。
介護福祉士は「ケアワーカー」と呼ばれ、高齢者や身体が不自由な人を対象に、実際の介護実務を行うのが仕事です。その人の障害のレベルや状況に応じて、排泄・入浴介助などの身体介護や、掃除や買い物などの生活介助などを適切に行います。
老人ホームやデイサービス、障害福祉サービス事業所、在宅介護サービスなどの施設や企業で働いています。
精神保健福祉士は「精神ソーシャルワーカー」と呼ばれ、精神障害がある人に対して、日常生活が送れるように相談に乗ったり、社会復帰に向けて支援したり、医療機関と連携して通院や入院の連絡・調整を行ったりするのが仕事です。
保健所や保健センターなどの行政機関や、作業所、精神科病院などで働いています。
それぞれ対象とする人が被っていることもあり、仕事で連携することもあります。
また、ダブル、トリプルで資格を持っている人もいるといいます。
社会福祉士と介護福祉士、精神保健福祉士それぞれどんな人に向いてるの?
三福祉士に共通して言えるのは「誰かのために」という奉仕精神を持っている人が向いているといえます。
もちろん仕事としてお給料をいただくわけですから、なにも自己を犠牲にしろというわけではありません。しかし、ソーシャルワーカーとして支援する相手の立場になって、本当に困っているニーズを引き出すことはとても重要です。
優しい気持ちで、敏感に相手を慮り、誠意を持って対応できる人が望ましいです。
では、三福祉士にはそれぞれどんな人が向いているのか見ていきましょう。
誰を支援したいのかという観点から向き不向きを考える
まず、社会福祉士と精神保健福祉士の2つのソーシャルワーカーについて、
「誰を支援したいのか」
という点について考えてみます。
社会福祉士は子どもから高齢者、障害者、低所得者まで幅広く対応することができる資格です。
精神保健福祉士は、統合失調症やアルコール依存症など精神障害者を対象に支援を行う資格です。
よって、社会福祉協議会や病院などで幅広く多くの人の相談業務に乗りたい、という人は、社会福祉士を選ぶのがよいでしょう。
精神障害を持つ人を限定に、特化した専門知識を持って支援を行いたい、という人は精神保健福祉士が向いています。
中には両方の資格を取得し、より深い支援ができるようにスキルアップを目指す人もいます。
平均給料は専門性が高いことからやや精神保健福祉士の方が高いようですが、これは施設や病院によって異なります。そのため、社会福祉士として高い給料をもらっている人ももいます。支援する相手も就職する施設によって異なるので、給料だけでなく「誰を支援するか」という視点から考えてみるのも重要です。
なお、ソーシャルワーカーは障害当事者やその家族と非常に深くかかわる仕事のため、心身の疲労がかなりあるといいます。特に精神保健福祉士は心の闇を抱えた精神障害者に対応して、自分も心を病んでしまう、ということもあるようです。
強靭なメンタルを持ちながら、優しさも兼ね備えている、というのが理想ですが、うまくストレスを発散できれば問題ありません。
介護福祉士は身体介護、生活介護を行うため、肉体労働が多くなります。介護士は自分より体重の思い要介護者を相手にすることもあり、腰を痛めることも多いといいます。できれば、体力に自信がある人が望ましいです。
直接的な介護を行うので、利用者から「ありがとう」と言われる機会が最も多いのも介護福祉士です。人とのコミュニケーションやスキンシップが好きだという人には、とても向いている仕事だといえます。
社会福祉士と介護福祉士、精神保健福祉士で一番取得が難しいのは?
社会福祉士は福祉系大学など社会福祉士の養成学校に通って必要科目を履修し、実習を経て、受験資格を得ます。短大ならば実務経験も必要となります。
介護福祉は、福祉系高校や介護福祉士養成施設を卒業するか、実務経験を3年以上積んで実務者研修を50時間~450時間受講して、受験資格を得ます。
精神保健福祉士は社会福祉士と同じように、福祉系大学など社会福祉士の養成学校に通って必要科目を履修し、実習を経て受験資格を得ます。こちらも同じく短大ならば実務経験も必要なります。
社会福祉士と精神保健福祉士は、どちらかに合格していると、試験科目がいくつか互いに免除になる仕組みです。
合格率は社会福祉士が30%前後で、精神保健福祉士が60%前後となります。
合格率には差がありますが、これは、社会福祉士資格をすでに持っている人が精神保健福祉士を受験しているパターンが多いことが考えられます。
したがって、難易度は両者ともにあまり変わらないランキングとなっています。
両者よりやや難易度ランクが落ちるのが介護福祉士です。かつてはホームヘルパー資格を持っていれば実務経験のみでも受験できたのが、平成29年から実務者研修が必須となることもあり、これから取得難易度が上がることが予想されます。
三福祉士ともに大変な仕事ではありますが、本当に困っている人の役に立つことができるというやりがいのある仕事です。給料は安くとも、誇りを持って働いている人が大勢います。
みんなが声を上げれば、待遇が改善されるかもしれません。
福祉士という人としての尊厳を守るかけがえのない仕事をする人たちこそ、社会が守らなければならないのではないでしょうか。