給料日はなぜ25日15日月末と企業によって分かれるのかを解説
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給料日はなぜ25日15日月末と企業によって分かれるのか
働く社会人にとって給料日は何よりも待ち遠しく、「今月も俺、よく頑張ったよ」と自分を褒めてあげられる最高の日です。
家族もいつもより優しく接してくれます。街を歩けば客引きのお兄さんお姉さんも積極的に声をかけきます。
そんな素敵な給料日。実は、会社によって違います。給料日が違う理由と、締め日について、詳しく解説します。
給料日はどうして日にちが企業によってわかれるのか
労働基準法では「給料は毎月最低1回支払うこと」と「一定日に支払う」ということは決められていますが、具体的に何日に支払うという規定はありません。
そのため、給料日は企業によって違います。
一般的には、給料日は「五十日」(ごとおび)と呼ばれる、5日、10日、15日、20日、25日、30日(月末)に支払うのが通例となっています。
圧倒的に多いのが、25日払いです。
月末払いにしてしまうと、2月は28日までしかないし、30日や31日の月もあったりとバラバラですが、25日なら確実に毎月やってくるのでわかりやすい、処理がしやすい、などの理由もあるようです。
昔はパソコンがなかったので、人が手で計算するには毎月日にちが変わる月末よりも25日と決まっている方がやりやすかったようです。
月初めは忙しいという企業が多いので、毎月10日前後を締め日にして、それから10日間くらいかけて全従業員の給料の計算をして、まあ余裕をもって25日なら確実に支払える、という計算のもとで25日に設定しているというところもあります。
25日払いの次に多いのが、15日払いです。アルバイトや派遣社員など月給制ではなく時間給制をとっているところが15日払いを設定していることが多いです。
25日が正社員で、15日がアルバイトの給料日、などわけて給料計算しているところもあります。会社によっては、15日と25日(もしくは月末)の2回、アルバイトには給料を支払う、というところもあります。
月給の正社員に比べて単価が安いため、計算も楽という理由や、月2回給料が受け取れるということをメリットにアルバイト人員を集めているところもあります。
また、地方自治体によっては公務員も15日と設定していることもあります。国家公務員は16日、17日、18日と省庁によってバラバラに設定されています。
法律で決まっていないから給料日は何日でもいいはずですが、パソコンが普及して計算が簡単になった現在でも25日が給料日、という民間企業が多いのはなぜでしょうか?
それは、25日が給料日というところが多いことから、家賃の支払いやカードの引き落としなどの日にちが月末から翌月頭くらいにかけて設定されている、という社会の仕組みが関係しているためです。
卵が先か鶏が先か、という話でもありますが、すでにそういうサイクルができてしまっている以上、これから給料日が大幅にバラけていく、という可能性は少なそうです。
25日の場合の締日や15日の場合の締日、20日の場合の締日って決まってるの?自由に決めてるの?
どこの会社も締め日は必ず設定していますが、何日でなければならない、とは法律では決まっていません。
極端なことを言えば、きちんと給与計算ができるならば給料日の前日締めでもいいわけです。
しかし、そんなことは給与計算や振り込みの事務手続き上、現実には難しいので、多くの企業が締め日は給料日の10日前くらいに設定しています。
25日払いの締め日は15日。
15日払いの締め日は5日、という具合です。
しかしこれも会社の規模、従業員の人数などによって計算にかかる時間が違うことから、月末締めの翌月15日払い、25日払い、などさまざまです。
会社によっては、月末締めの翌々月末払い、というところもあります。締め日から60日間も経っていますが、それでも法律上は違法ではありません。
あらかじめ「月末締めの翌々月末払い」と明記してあるなら、毎月そういう形で規定日に給料を支払っているので、労働基準法には引っかからないのです。
ただし、毎月の支払日が決まっているのに「今月は厳しいから翌々月に必ず払うね」というのは、労働基準法の「一定日に支払う」という原則に反するため違法となります。労働者との信頼関係の面からも、締め日から給料日までの期間が開きすぎるのはあまり良くないようです。
給料日が土日祝日の場合は、前にずれ込むの?後ろにずれ込むの?
給料日が土日祝日の場合、多くの企業では前にずれ込んで支給しています。
25日が土曜日なら、前営業日の24日金曜日に支払うという形です。
前営業日に支払うか、翌営業日に支払うかは、企業が自由に決めることができるので、後ろ倒しに設定しているところもあります。就業規則に明記されているはずなので、確認しましょう。
なぜ後ろ倒しよりも前倒しに設定している企業が多いかというと、労働基準法の「毎月必ず一回以上支払う」という原則を守るためです。
土日祝日を挟んで後ろ倒しに給料を支払うことにしてしまうと、場合によっては一ヶ月を過ぎてしまうことがありえます。
就業規則に「給料日が土日祝日の場合は翌営業日支払い」と明記しておけば違法ではないのですが、給料支払の原則を厳密に守るという点を踏まえて、前営業日としているのです。
法律の解釈の問題になるため難しい話なのですが、労働者から突っ込まれないように前営業日としておけば文句はないだろう、というところでしょう。
一方、公務員の場合は、土曜日が給料日なら金曜に前払い、日曜日が給料日なら月曜に後払いというところが多いです。あくまでも慣習であって自治体によっては違う方法をとっているところもあります。
給料日は所定の日より早くなることはあるの?
給料日は「一定日に支払う」と労働基準法で定められているので、所定の日よりも早まったり、遅くなったりすることはありません。
仮に早く受け取れるとしたら、給料日が土日祝日に被っているために前営業日に支払われた、という事例のみでしょう。
まれに会社の経営方針の転換や事務手続きの都合上、締め日や給料日を変更する、ということがあります。
25日払いだったのが20日払いに変更になる、などのパターンです。逆に遅く変更になる、という可能性もあります。
そのような場合には、就業規則の給与支払いに関する項目も改訂する必要があります。締め日が変更になる関係で、翌月の給料が大幅に減額されて支給されることもあるので、生活苦にならないように気をつける必要があります。
減額された分は翌々月に上乗せされて支払われて、そのまた次の月からは通常通りの給料に戻ります。
未払賃金が発生しないようにきちんと計算はされるはずですが、給料日が大きく変更になるというのは滅多にないことなので、給料明細は個人できちんと確認しましょう。
給料日は法律では定められていなくても、企業と労働者の信頼関係や社会生活のサイクルの中で成り立っているということがよくわかりました。
締め日や給料日のことを意識すると、会社でのお金の流れも掴めるようになります。
給料の仕組みをよく知ることが「デキる社会人」への第一歩です。あなたの給料日、何日締めのいつ支払いですか?