これで完璧!給料50万の人が払う全ての税金(所得税住民税)・保険料を見やすく解説 | 給料BANK

これで完璧!給料50万の人が払う全ての税金・保険料を算出!

これで完璧!給料50万の人が払う全ての税金・保険料を算出!

給料50万の人が払う全ての税金画像

給料50万の人が払う全ての税金を計算!

埼玉県労働組合連合会の2017年の調査によると、「埼玉県で人並みに暮らすには月に約50万円が必要」との結果が出たそうです。
 
日本の中心である東京に近く、ベットタウンとして住民の多い県です。
クレヨンしんちゃんの野原一家が暮らしているのも埼玉県です。そんな埼玉県では50万円の収入がなければ、教育費や生活費に満足のいくお金がかけられないというから驚きです。
 
月収50万円、一般的な新卒初任給の倍以上の金額です。
40代から50代の大企業に勤めるサラリーマンや、課長職、部長職など役職を持っている人が、50万円の給料を得ているというイメージがあります。
月に50万円の収入ということは、ボーナスがなかったとしたら年収600万円、仮に正社員で4ヶ月分のボーナスが出るとしたら、年収は800万円になります。
 
ボーナスのあるなしで約200万円の差が出るというのは大きいです。
月給40万円でボーナス4ヶ月分が出る人の年収が640万円なので、月給が高くても年収で逆転現象が起こることもあります。
上場企業の約3000社の企業の平均年収が600万円なので、給料50万円でボーナスが出る正社員というのは、上場企業の中でも特に待遇の良い会社に勤めている、残業が多く多忙を極めている、などの状況が考えられます。
フリーターではフルタイムで働いても給料50万円というのはなかなか難しい金額です。ちなみに、日本の労働者の平均年収は約420万円です。
 
それでは、そんな給料50万円。
「給料?これくらいかな(スッと片手を上げる)」という仕草が格好良いかは置いておいて、手取り額は実はもっと少なくなります。
給料50万円をもらっている人は、いったいいくら税金を支払わなければならないのでしょうか。ひとつずつ見ていきましょう。

給料50万の人の所得税・税率

所得税とは、給料総額から控除分を除いた額にかけられる税金です。「給料から天引きされる税金」の中でも最も有名な税金が「所得税」です。
所得税は明治時代に導入された税金制度で、国の税収の約3割を占める、非常に重要な税金となっています。それでは月給50万円の人は、一体いくらの所得税が引かれるのか、算出してみましょう。
 
サラリーマンの場合は、所得税は先に給料から天引きされて納められます。自営業者の場合は、確定申告をして所得税を自分で納めることになります。
所得税は累進課税制度をとっています。所得が高い人ほど、高い税率の所得税を払うことになっています。収入の低い人から、5%、10%、20%、23%、33%、40%、45%の7段階に税率が上がっていきます。
詳しくは国税庁HP、所得税の税率のページを参照してください。

所得税早見表

所得税早見表画像

給50万円の場合、ボーナスがない人は、50万円×12ヶ月=600万円の年収となります。正社員で4ヶ月分のボーナスが入るとしたら、50万円×16ヶ月=800万円の年収となります。
そこから会社員の場合は「給与所得控除」を除き、非課税となる通勤手当、社会保険料を差し引いた額(課税所得)に税率をかけることになります。
社会保険料とは、健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険などを総称したものです。

給与所得控除

給与所得控除画像

まずは給与所得控除を計算してみましょう。
非課税となる金額は人によって異なるので、一律に課税所得がいくらになるというのを定義することはできませんが、ここでは月収50万円がそのまま課税所得として計算をしてみます。
・課税所得が年間600万円
600万円×20%+54万円=174万円
が給与所得控除額になるので、控除を引いた額は426万円になります。
 
・課税所得が年間800万円
800万円×10%+120万円=200万円
が給与所得控除額になるので、控除を引いた額は600万円になります。
 
所得税早見表を見てみると、課税所得が426万円の場合も600万円の場合も、所得税率は20%、控除額は42万7500円となります。
・課税所得が600万円の場合(給与所得控除後426万円の場合)
426万円×20%-42万7500円=42万4500円
が年間の所得税額になります。
・課税所得が800万円の場合(給与所得控除後600万円の場合)
600万円×20%-42万7500円=77万2500円
が年間の所得税額になります。
会社の従業員として給料をもらっている人は「給与所得の源泉徴収税額表」が定められており、それにしたがって給料から所得税が天引き(源泉徴収)されます。
扶養家族の人数によって、源泉徴収される金額は変わってきます。
課税所得が月額50万円の場合、
・扶養家族0人:2万9890円
・扶養家族1人:2万3430円
・扶養家族2人:1万8370円
・扶養家族3人:1万5140円
・扶養家族4人:1万1900円
・扶養家族5人:8670円
・扶養家族6人:6870円
・扶養家族7人:5250円
と決まっています。
ここまでは、あくまでも「課税所得が月に50万円」ということで計算してきました。
社会保険料などが引かれた後で50万円ということです。
額面上、天引きされる前の支給額はもう少し高いことになります。それでは、文字通り給料50万円=額面50万円の人というのは、一体どのくらいの所得税を払わなければならないでしょうか。
具体的な数字を簡単に知る方法を紹介します。
インターネットで「給料 手取り 計算」などと検索すると便利なサイトが多数出てきます。
 
所得税は扶養家族の人数や社会保険料の控除額などによって異なることから、一人ひとり金額が違います。
自動計算をしてくれるアプリやシミュレーターは必要事項を入力することで、簡単に税金の金額を算出することができます。いくつかのサイトで計算してみた結果、「月給50万円」の人の所得税は、1万8830円~1万8960円と算出されていました。

給料50万の人の住民税【都道府県民税+市町村民税】

住民税とは、都道府県や市区町村などの自治体が住民に対していろいろなサービスをするために必要な費用を、住民に負担させるための税金です。
住民税として徴収されたお金は、道路や公園の整備、ゴミの焼却、学校、医療、消防、防犯など、住んでいる地域のために使われます。
また、役所の職員の人件費も住民税から賄われます。毎年1月1日を基準として課税され、納税通知書が送られてきます。
原則として都道府県民税も市区町村の役所が一括して徴収をすることになっています。
つまり、
住民税=都道府県民税+市町村民税(-調整控除)
ということです。調整控除とは、所得税との控除額の差を税制するために設けられている控除です。
さて、この住民税の求め方ですが、その課税方法には2種類があります。「所得割」と「均等割」という課税方法です。
・所得割:前年の所得金額に応じて課税される(年収が高い人ほど高くなる)
・均等割:所得金額にかかわらず定額で課税される(住民みんな平等)

通常、この所得割と均等割の2つを合算して、支払う住民税が決まります。
 
均等割の額は自治体によって額が異なるため、住んでいるところによって金額は変わります。なお、専業主婦や学生、ニート、生活保護の人など収入のない人は非課税対象となります。
また、東日本大震災の影響で、復興財源の増税がされています。増税の対象は均等割で、
都道府県民税がプラス500円、市町村民税がプラス500円の計1000円が、平成35年度までの10年間上乗せされて増税されています。
多くの市区町村では均等割は
・都道府県民税1500円
・市町村民税3500円
(合計5000円)
となっていますが、夕張市など財政破綻してお金が必要だという市区町村では市町村民税が4000円となり、計5500円の均等割、というところもあります。
シミュレーターを使って計算してみた所、月給50万円の人の住民税は、以下の通りです。
 
・月給50万円、年収600万円(ボーナスなし)、東京都在住
住民税:39万5500円(月額3万2958円)

 
・月給50万円、年収800万円(ボーナス4ヶ月分)、東京都在住
住民税:56万9500円

給料50万の人の住民税早見表画像

給料50万円の社会保険料「健康保険料・厚生年金」はいくら?

怪我や病気、災害、そして失業。生きている限り、いつ何が起こるかわかりません。そのための保障が、「社会保険」です。
・健康保険
・介護保険(※40歳以上)
・年金保険
・雇用保険
などの保険を総称して「社会保険」と呼びます。
会社員の場合、会社の健康保険(健康保険組合、または協会けんぽ)と、厚生年金に加入します。
健康保険は、加入していると個人の医療費負担が3割になります。病院で「保険証を見せてください」と言われるのは、この健康保険に加入しているかどうかを確認するためです。
健康保険に加入していないと、10割負担になる(全額自分で支払わなければならない)ため、今が健康でもいつ怪我や病気をするかはわからないので、非常に重要な保険です。
年金保険は、公的な年金制度で将来の生活を保障するものです。将来的にどうなるかちょっと不安視されていますが、労働者は厚生年金に強制的に加入することになります。
健康保険と厚生年金は、給料のそれぞれ一定の割合を、会社と個人が二分の一ずつ負担することになっています。
・健康保険料:標準報酬月額×4.955%(協会けんぽ、個人負担分)
・厚生年金:標準報酬月額×8.914%(個人負担分)
具体的な金額は、協会けんぽのホームページの一覧表に掲載されています。
 
以上を踏まえると、月給50万円の人の健康保険料と厚生年金の個人負担額は、
・健康保険料:2万4775円
・厚生年金:4万5455円

となります。加入している健康保険や年齢、住んでいる自治体などによって金額は変わり、年度によって税率が変更になる場合もあります。
よって自動計算するシミュレーターによっては数字が違うことがあるため、正確な額は各自の給料明細を確認してください。

【まとめ】給料50万の人が年額持っていかれる税金

1年間に引かれる税金額というのは、国民一律ではありません。
扶養する家族が多ければ多いほど控除額も増え、その他にも医療費控除や住宅ローン控除などさまざまな控除が存在することから、個人の状況によって税金額は変わってくるのです。
 
また住んでいる自治体によっても住民税が違います。給料が50万円の人というのは、社会保険料だけでも最低月に約7万円が引かれることになります。
 
年額にすると84万円です。所得税や住民税も加えると、一般的に年収の約2割が税金で持っていかれると言われています。
つまり、給料50万円、ボーナスなしで年収600万円の場合は、120万円が税金となり、ボーナス4ヶ月分で年収800万円の場合は、160万円が税金となります。
給料50万円というのは、労働者の平均年収を超える高年収です。贅沢三昧ができるほどの年収ではありませんが、ある程度余裕のある生活をすることができます。
また、住む場所や教育などの選択肢も増えます。収入から大きな額の税金が引かれてしまいますが、収入が増えた分でさまざまなことを選ぶ余裕ができるのです。税金や手取り額をきちんと把握し、無理のない範囲で生活をすることが大切です。