給料明細を捨てるのはダメ!そんな理由を税理士に聞いてみました。また捨てるタイミングは2年でした。 | 給料BANK

給料明細を捨てるとダメな理由を税理士に聞いてみてわかった理由と捨てるタイミング

給料明細を捨てるとダメな理由を税理士に聞いてみてわかった理由と捨てるタイミング

給料明細を捨ててはいけいない理由の画像

給料明細を捨てるとダメな理由と捨てるタイミング

給料明細はもらう時はウキウキですが、いざ何ヶ月、何年分と溜まっていくと保管するのも負担になってくるかもしれません。
一体、給料明細はいつ処分したらよいのでしょうか?意外と知らない、給料明細の保管の理由と処分のタイミングについて税理士さんに聞いたので説明します。

給料明細を捨てるのはそもそもダメなの?

「給料明細を廃棄してはならない」という法律はありません。
 
所得税法231条には、「居住者に対し国内において給与等、退職手当等又は公的年金等の支払をする者は、財務省令で定めるところにより、その給与等、退職手当等又は公的年金等の金額その他必要な事項を記載した支払明細書を、その支払を受ける者に交付しなければならない。」と定められていますが、これは「会社は従業員に必ず給料明細を渡してね」という決まりごとであり、それを受け取った労働者がどうするか、といったことまでは記されていません。
 
つまり、給料明細を捨てるも保管するも自由ということです。
捨ててしまったからといって罰則があるわけではありませんし、特に困らない、という人もいます。
実際に、給料明細を受け取っても毎月同じだからすぐに捨ててしまう、という人や、銀行の振り込み額が合っていればそのまま廃棄してしまう、という人もいるようです。
 
しかし!給料明細をすぐに捨てることはおすすめしません。それには大きな理由があります。
・給料明細は、税金算出の根拠である。
という点が、給料明細の重要なポイントです。
つまり、どのくらい働いて、どのくらい収入(所得)があったから、いくらの所得税になる、といった計算の結果が記されているのです。
厚生年金や住民税も、所得に定められた税率をかけて計算されます。確定申告をしている人は、給料明細がなくては申告することも難しくなってしまうため、少なくとも確定申告が終わるまでは絶対に給料明細を捨てないようにしましょう。
 
会社がすべて計算して申告している場合でも、保険料や税金に関して計算のミスがある場合もあります。
また、転職したり引っ越ししたりすると、手続き上のミスや自分自身のうっかりで税金や住民税、年金保険料などが未納になっている、金額が間違っている、支払われていない期間などが発生している場合もあります。
そうしたケースにおいて、後に税金額の確認をする時に必要なのが「給料明細」なのです。
会社のミスなのか、自分のミスなのかをはっきりさせる証拠にもなりうるので、保存しておくのがよいでしょう。

給料明細はアルバイトの場合は再発行してもらえるの?

給料明細は、正社員でも派遣社員でもアルバイトでも、会社から給料を受け取っている労働者は必ず発行してもらえます。
労働基準法では定められていませんが、所得税法上、税金の支払根拠となる「支払調書」を渡すことが定められているので、会社は必ず作成しなければなりません。
 
ただし、給料明細を再発行する、という決まりは特にありません。
一度渡された給料明細を「失くしちゃったからまたちょうだい」と言っても、会社にはそれに応じる義務はありません。
優しい経営者であれば再発行してくれるかもしれませんが、別に義務ではないので断られる可能性もあります。
後に必要になるかもしれない、ということを踏まえて、給料明細は絶対に失くさないようにしましょう。アルバイトでも正社員でも、同じことです。

給料明細を捨てるのはだいたい何年経ってからがいいの?

給料明細を捨てるタイミングというのは、具体的には法律で定められているわけではないので個人の自由となります。
 
調べてみると、勤めてから定年までの約40年分をすべて保管している、という人もいれば、すぐに捨ててしまう、という人もいます。
実際に振込された金額と給料明細の支給額が合っていればOKで、それで捨ててしまう、という人もいるようです。
一般的には、「最低でも2年は保管」といわれています。労働基準法において、未払賃金請求の時効は2年とされています。
 
また、雇用保険料の時効も2年です。
そうした点から、2年間は保管しておけば、何かあった時に証拠として使えるわけです。転職や引っ越しなど大きな変化があった場合には、もう少し長い期間で取っておくのもありかもしれません。

給料明細を管理するならどんなのがおすすめ?

会計ソフトなどで計算しているとはいえ、その根拠となる数字を入力しているのは人力であることがほとんどです。
総務や経理の人間が完璧であるとは限りません。
人的ミスがあることを考えると、給料明細はすぐには捨てない方がよいです。きちんと給料明細を確認して保管しておけば、ミスに気づき、正しい給料を受け取ることもできます。気づかなければ知らない間に損をすることも考えられます。
 
給料明細が紙ベースの場合、2つ穴を開けてファイリングする、ノートに貼る、ファイルボックスに収納する、などの方法で保管している人が多いようです。
 
最近では、紙ベースのものを写真に撮ったりスキャンしてデジタル化して保管する、という人もいます。
紙そのものでは年数を重ねるにつれて分厚く大量になってしまい保管が大変ですが、データなら何年分も保管しておけるので安心です。
データならば2年といわず、数十年分を管理することもそれほど大変ではありません。
紙は2年保管して、それ以降はデータ保存、紙はシュレッダー処分という方法でもよいかもしれません。
自分自身でデータ化する場合、Excelで管理したり、アプリやソフトなどで保管しておく、という方法もあります。
いくつかソフトとサイトを紹介します。

給料明細管理ソフト

やよいの青色申告オンライン
申告もできるソフトなので一石二鳥です。
 
給料明細.net
サイトに必要事項を記入してボタンを押せば、簡単にPDFの給与明細が取得出来ます。
 
フリーウェイ給与計算
ダウンロードして使用する給与計算ソフトです。利用には無料会員登録が必要です。従業員5人まで無料で利用可能。インターネット上で常に最新バージョンを提供しているため、税率や保険料率の改正があった際にもシステムを更新する必要はありません。給料を支払う法人や個人事業主の人にはもってこいです。
 
その他にも、税金や源泉徴収額の自動計算をしてくれるサイトやアプリなどが多数あります。
給料明細と別に自分で計算をして、合致しているかどうかを確かめておくというのも、ミスを防ぐ上でよいかもしれません。
 
自分が損をしないように、そして将来的に正しい年金をもらえるように、給料明細はきちんと保管しておきましょう。
ちょっとした手間が、自分を助けることになるかもしれません。また、自分が頑張ってきた証である給料の変化を数字で見ることができるので、モチベーションにもつながるかもしれません。自分のために、給料明細の正しい保管と処分を心がけましょう。