これで完璧!給料90万の人が払う全ての税金・保険料を算出!
目次
給料90万の人が払う全ての税金を計算!
日本の労働者の平均年収が約420万円、月給にして32万円程度だといわれています。月給90万円というのは、平均の約3倍近くも多く稼いでいるということです。単純計算で年収1080万円、ボーナスが出るとしたら1400万円を超えます。
日本人の95%は年収1000万円未満ということを考えると、人口の約5%のごく限られた人しか稼ぐことができない金額です。
大企業に勤める役職者や、官僚の中でも一部のエリート、会社経営者などしか到達することができない金額です。
そんなごく一部の高所得者である給料90万円の人は、一体どのくらいの税金を払っているのでしょうか?
所得税、住民税、社会保険料を順番に見ていきましょう。
給料90万の人の所得税・税率
所得税とは、給料総額から控除分を除いた額にかけられる税金です。「給料から天引きされる税金」の中でも最も有名な税金が「所得税」です。
所得税は明治時代に導入された税金制度で、国の税収の約3割を占める、非常に重要な税金となっています。それでは月給90万円の人は、一体いくらの所得税が引かれるのか、算出してみましょう。
サラリーマンの場合は、所得税は先に給料から天引きされて納められます。自営業者の場合は、確定申告をして所得税を自分で納めることになります。
所得税は累進課税制度をとっています。所得が高い人ほど、高い税率の所得税を払うことになっています。収入の低い人から、5%、10%、20%、23%、33%、40%、45%の7段階に税率が上がっていきます。
詳しくは国税庁HP、所得税の税率のページを参照してください。
所得税早見表
月給90万円の場合、ボーナスがない人は、90万円×12ヶ月=1080万円の年収となります。正社員で4ヶ月分のボーナスが入るとしたら、90万円×16ヶ月=1440万円の年収となります。
そこから会社員の場合は「給与所得控除」を除き、非課税となる通勤手当、社会保険料を差し引いた額(課税所得)に税率をかけることになります。
社会保険料とは、健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険などを総称したものです。
給与所得控除
まずは給与所得控除を計算してみましょう。
非課税となる金額は人によって異なるので、一律に課税所得がいくらになるというのを定義することはできませんが、ここでは月収90万円がそのまま課税所得として計算をしてみます。
・課税所得が年間1080万円の場合、上限の220万円が給与所得控除になるので、控除を引いた額は860万円です。
・課税所得が年間1440万円の場合、上限の220万円が給与所得控除になるので、控除を引いた額は1220万円となります。
所得税早見表を見てみると、課税所得が860万円の場合は、税率23%、控除額は63万6000円となります。課税所得が1220万円の場合は、税率33%、控除額は153万6000円になります。
・課税所得が1080万円の場合(給与所得控除後860万円の場合)
860万円×23%-63万6000円=120万4000円
が年間の所得税額になります。
・課税所得が1440万円の場合(給与所得控除後1220万円の場合)
1220万円×33%-153万6000円=249万円
が年間の所得税額になります。
会社の従業員として給料をもらっている人は「給与所得の源泉徴収税額表」が定められており、それにしたがって給料から所得税が天引き(源泉徴収)されます。
扶養家族の人数によって、源泉徴収される金額は変わってきます。
課税所得が月額90万円の場合
・扶養家族0人:9万3763円
・扶養家族1人:8万6973円
・扶養家族2人:8万493円
・扶養家族3人:7万4033円
・扶養家族4人:6万7573円
・扶養家族5人:6万1093円
・扶養家族6人:5万4633円
・扶養家族7人:4万7873円
と決まっています。
ここまでは、あくまでも「課税所得が月に90万円」ということで計算してきました。
社会保険料などが引かれた後で90万円ということです。額面上、天引きされる前の支給額はもう少し高いことになります。
所得税は扶養家族の人数や社会保険料の控除額などによって異なることから、一人ひとり金額が違います。
自動計算をしてくれるアプリやシミュレーターは必要事項を入力することで、簡単に税金の金額を算出することができます。いくつかのサイトで計算してみた結果、「月給90万円」の人の所得税は、8万3400円~8万3730円と算出されていました。
給料90万の人の住民税【都道府県民税+市町村民税】
シミュレーターを使って計算してみた所、月給90万円の人の住民税は、以下の通りです。
・月給90万円、年収1080万円(ボーナスなし)、東京都在住
住民税:82万5500円
・月給90万円、年収1440万円(ボーナス4ヶ月分)、東京都在住
住民税:117万9500円
給料90万円の社会保険料「健康保険料・厚生年金」はいくら?
健康保険と厚生年金は、給料のそれぞれ一定の割合を、会社と個人が二分の一ずつ負担することになっています。
・健康保険料:標準報酬月額×4.955%(協会けんぽ、個人負担分)
・厚生年金:標準報酬月額×8.914%(個人負担分)
具体的な金額は、協会けんぽのホームページの一覧表に掲載されています。
標標準報酬月額は62万円が上限となっているため、月給70万円の人と、月給80万円の人、月給90万円の人は厚生年金の額は同じになります。
ただし、ボーナスには150万円まで税率がかけられることになるので、トータルで見ると月給90万円の人の方が厚生年金は高くなります。
以上を踏まえると、月給90万円の人の健康保険料と厚生年金の個人負担額(月々)は、
・健康保険料:4万3604円
・厚生年金:5万6730円
となります。加入している健康保険や年齢、住んでいる自治体などによって金額は変わり、年度によって税率が変更になる場合もあります。
よって自動計算するシミュレーターによっては数字が違うことがあるため、正確な額は各自の給料明細を確認してください。
【まとめ】給料90万の人が年額持っていかれる税金
額面上は同じ給料が支給されていても、税金の額は個人によってことなります。扶養家族の人数、住んでいる場所、本人の年齢、さまざまな控除など、人によって状況がことなるため、引かれる税金の額は一律というわけにはいかないのです。月給90万円の人の場合、手取り額はおよそ75%から80%くらいになるといわれています。税金の割合は20%~25%くらいになります。
高年収のため、低年収の人よりも手取り額の割合は少し減ってしまうのです。月給90万円、年収1080万円の場合、税金は216万円~270万円くらいになります。
月給90万円、ボーナスが出て年収1440万円の場合、税金は288万円~360万円くらいになります。
引かれる税金の額が年収、という人も多い世の中なので、給料90万円の人はかなりの額の税金を支払っているということになります。
支払いが多いわりに、恩恵をあまり受けていない、と感じるかもしれません。
しかし、その分社会の役に立っているという誇りを持ちましょう。気になるならば、自治体や国の制度を自分で調べて、自分の税金が正しく使われているかをチェックすることも大切です。
あなたの税金は、きっと誰かの生活を助けているはずです。その実感を持つことが「損をしている」という感情を拭い去ってくれることでしょう。