これで完璧!子持ち年収800万円と独身年収800万円の生活実態を比較した結果
目次
子持ち年収800万円と独身年収800万円の生活実態を比較
ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カールマン教授の研究によると、「収入に伴って幸福度が上がるのは、年収7万5000ドル(日本円で約835万円)」であるそうです。
それ以上の年収になっても、幸福度は比例して上がっていくということはないとのこと。
つまり、「お金で買える幸せ」というのは、MAX年収7万5000ドル(日本円で約835万円)で頭打ちということです。
裏を返せば、年収800万円台というのは「もっとも幸福である」と感じる人が多い年収であるともいえます。
日本人労働者の平均年収は420万円なので、年収800万円というのは平均のおよそ倍を稼いでいるということです。
平均の倍の年収があれば、確かに貧困による物理的なストレスが少ないと予測されるので、特別に「幸せだなぁ」と感じなくとも、「自分ってなんて不幸なんだろう」と感じることは少ないかもしれません。
【子持ち・独身】年収800万円の月額給与・手取りの実態
年収800万円の人が、正社員として、仮にボーナスが4ヶ月分支給されると計算すると、800万円÷16ヶ月=50万円が月給となります。
年に2回のボーナス月には約150万円(月額給与+ボーナス2ヶ月分)が入る計算になります。
ただし、額面の給料から、社会保険料、雇用保険料、年金保険料、住民税などの保険料や税金などを天引きした金額が支給されることになるので、手取りはもっと減ります。年収800万円の場合は、年間の手取りは600万円~640万円くらいになります。
どうして幅があるかというと、扶養家族の人数、住宅ローン控除などによって課税される税金額が変わってくるためです。
おおよそ額面の75%~80%くらいが手取りになると心づもりしておくとよいでしょう。
・年収800万円:月額給与50万円、手取り約40万円
くらいが相場となります。毎月40万円で生活をする、ということです。
自営業者の場合は、800万円÷12ヶ月=66万6000円が月給となります。ただし、ここから税金を自分で納めることになるので、自由になるお金はサラリーマンと変わらない、もしくはそれよりも少なくなる可能性もあります。
では、そんな“幸せな”年収800万円、子持ちと独身の人ではどんなライフスタイルになるのでしょうか?具体的に見ていきましょう。
参考:手取り40万円の給料額面・車・家賃を解説!
子もち年収800万円の生活スタイル【月にかかる費用など】
上場企業の平均年収が600万円台なので、年収800万円というのは上場企業の中でも有名な大企業の社員であるか、または課長以上、部長クラスの役職者ということになります。
超優良企業なら30代で年収800万円ということもありますが、勤続年数や役職から考えると40代~50代くらいの人が多いです。
夫の年収が800万円を超えると専業主婦を希望する妻も増えるといいます。
また、子持ち世帯では賃貸ではなく一戸建ての持ち家に住む人が増えるのもこの年収帯です。
子どもは高校生や大学生、もしくはもう独立している可能性もありますが、ここではモデルケースとして、まだ実家にいる学生の子どもを想定しています。
★給料月額50万円(手取り40万円)、妻(専業主婦)、子ども2人。都内在住。
家賃・住宅ローン:14万円
食費:7万円
光熱費:2万円
通信料:2万5000円
貯金:7万円
その他諸経費:3万5000円
毎月自由に使えるお金:4万円
都内で3LDK~4LDKほどの広さのある一戸建て、もしくはマンションを購入したとして、月々のローンは約10万円~15万円ほど。
地価の安い地方ならもう少し住宅費は抑えられそうです。
年収800万円になれば余裕がある生活ができるように思われますが、実際に数字で出してみると、4人家族で贅沢ができる、というほどでもありません。
年収700万円の家庭よりもやや貯金に回せますが、大学生になった子どもの学費や下宿代、仕送りをするには厳しい金額であるともいえます。
子どもが2人とも大学に進学するとなると、公立の大学に通うか、自宅から通学する必要があり、アルバイトなどをした方が自由になる金額が増えます。
仕送りをするなら妻もパートに出るなどの努力が必要になるかもしれません。
日本の労働者世帯の中では年収800万円は勝ち組とも言えますが、都内で家族3人を一馬力で養うには想像以上にお金がかかるようです。
ただし、その分ボーナスも多く、退職金の金額も大きくなるので、貧困で苦しい、ということは決してありません。
独身年収800万円の生活スタイル【月にかかる費用など】
一方で独身の年収800万円は、かなり余裕がある生活ができます。
子どもたちの進学や生活費を考えなくてもよく、すべてを自分のために使うことができます。
趣味に邁進する人もいれば、50代にもなればゆとりある老後を過ごすために貯金に励む人もいるでしょう。
★給料月額50万円(手取り40万円)、一人暮らし。都内在住。
家賃・住宅ローン:11万円
食費:5万円
光熱費:1万5000円
通信料:1万5000円
貯金:10万円
その他諸経費:2万円
毎月自由に使えるお金:9万円
月々かかる住宅費や光熱費、食費など経費の部分に関しては、年収700万円とそう違いはありません。
貯金も欠かさずに毎月10万円ずつできます。その上、自由に使えるお金はぐっと増えて9万円。
大きな買い物をするには貯めたりローンを組む必要もあるかもしれませんが、基本的には好きな趣味にはお金を惜しまず出すことができます。
ずっと独身を貫いて節制している人ならば、2千万円以上の預貯金がある人もいるかもしれません。
株や投資信託など、投資をしている人もいるでしょう。
婚活市場でも年収800万円の男性は引っ張りだこです。ただし、年収が上がるにつれて年齢も上がっており、その点が不利になる可能性はあります。
自由とお金は増えたけれど、体力や健康を損なっている、というのでは意味がありません。
婚活するにせよ、独身を貫くにせよ、面倒を見てくれる人がいないということも踏まえて、自分自身のメンテナンスに手間暇をかける必要が出てきます。
年収800万円の割合
国税庁の「民間給与実態統計調査」の平成27年度の結果をもとに、年収帯の人数別パーセンテージをグラフにしてみました。
年収800万円未満は全体の90%を超えます。年収800万円以上900万円未満の人というのは2.7%しかいません。
一般的に、年収800万円というのは「中間所得層」と「高所得層」のちょうど境目に当たる年収です。
年収800万円を超えると「高所得者」であるといえ、生活水準も上がります。
現在日本では所得格差が進んでいるので、今後はもっと中間所得層が減り、400万円未満の低所得者と、800万円以上の高所得者に分かれていくといわれています。
年収800万円になれそうな職業は?
年収800万円、月額給与50万円以上をもらえる職業をいくつかピックアップしてみました。
・衆議院事務局
・参議院事務局
・国会職員
など、お堅い職業の人が年収800万円には多くなります。
地方公務員ならばかなり上の役職の50代、国家公務員なら働き盛りの40代、といったところでしょうか。安定して高給が得られる、景気に左右されないような仕事が年収800万円には多いです。
そのほかにも、
・新聞記者
・通訳
などの職業も年収800万円以上となります。
大手新聞社の記者ならば、もっと上を目指すことも可能です。
また、起業家やポータルサイターなど、自営業から会社を立ち上げるような人も、年収800万円以上となります。公務員以外は不安定さも伴いますが、努力次第で上を目指せるといった点が、年収800万円の職業の特徴です。
「お金で買える幸せの上限」である年収800万円台。
幸福度は個人によって差がありますが、衣食住に困らず、好きなことに使えるお金があるという点においては、幸福であるといえます。
困っていない=気持ちにも余裕が出る、というのがこの年収帯です。現状に満足するもよし、もっと努力して上を目指すもよし、そういった選択肢があるというのも年収800万円の特徴なのかもしれません。
参考:職業別給与年収ランキング早見表